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2022.07.28

【コラム】ウェブメディアに挑戦する新聞社

 

(以下、withnewsの記事より要約・転載)

 

近年増えた、新聞社によるウェブメディアの運営。ウェブメディアの編集に携わる3名の座談会を通じて、これまでの新聞社の枠を超えた挑戦と課題が浮き彫りになります。

 

座談会には、以下の3社・メディアの編集者が参加しました。

 

・神戸新聞「まいどなニュース」(まいどな)
https://maidonanews.jp/

 

・朝日新聞デジタル(朝デジ)
https://www.asahi.com/

 

・西日本新聞「あなたの特命取材班」(あな特)
https://anatoku.jp/

 

 

●歴史ある新聞社での新メディア立ち上げは多くの苦労が伴った

 

ウェブメディアの立ち上げには、それぞれ苦労がありました。「withnews」は社内調整に多くの労力を割き、「あな特」は社会部の一部の記者の企画としてスタートし、取り組みを社内に広げることに苦労しました。「まいどな」は、新聞の購読部数が減る中で、新たな収益の柱として期待されたため、立ち上げから結果を出す必要に迫られました。

 

規模の大小にかかわらず、新聞社には歴史があるので、新しいことを始めようとすると、抵抗感を抱く人が少なくないとか。そのため、「小さな成功を積み重ねて、事業継続の流れを作ることが大切になる」とのこと。

 

編集部の規模感は、立ち上げ当初は専従が2~3名というウェブメディアも。読者から情報を集めているメディアでは、十分対応できるだけの体制を整えるのはとても難しいため、社内の別部署の記者に応援を頼むケースもあるそうです。

 

人手不足を補うために、外部ライターを活用するウェブメディアもあります。

 

 

●有料記事と無料記事――読者とどのような関係性を築くか

 

ウェブメディアのビジネスモデルについては、記事が有料か無料かが大きな分かれ目になります。

 

「朝デジ」はサービスに対して1カ月単位でお金を支払う「サブスクリプション(サブスク)」モデルを採用。記事との出会いからサイト自体への愛着を引き出す「読まれ方の深さ」が大事だといいます。そして「究極的に言えば、月に一本しか記事を読まない利用者にも、登録をやめないきっかけとなるような体験」を提供したいと。

 

それに対し、「あな特」「まいどな」は無料で記事を配信しています。「地方紙はまだまだ必要な存在だと思ってもらえないと先に進めない」との考えから、まず記事を読んでもらい、多くの人々の声を拾い、課題解決につなげることで信頼を得たいそうです。そのために「あな特」では無料配信を採用しています。

 

「まいどな」は、母体の神戸新聞がサブスクモデルを採用しているので、有料会員を獲得する入口として無料モデルを追求。有料の神戸新聞との役割分担はうまくできているとのこと。

 

昨今、若い読者はメディアに対してあまりお金を払わなくなっていると言われますが、30代、40代になればいろいろな社会課題にぶつかることで、お金を払っても情報を得るという選択をする人が増えます。そのときに役立つ情報源として選ばれるために、20代の頃にサービスに接触し、時が経ってから実際に登録してもらうという関係性を築きたいと、「朝デジ」では考えているそうです。

 

 

●広がる読者との距離――ウェブメディアは解決の糸口となるか

 

ウェブメディアの特徴の一つとして、読者が取材リクエストを出しやすいということがあります。しかし、「withnews」がそれを始めた当初、「読者の言いなりになるのか」という批判が社内から寄せられたそうです。

 

「新聞社の社員はずっと、何がニュースかを考えることが仕事だと思ってきた。でも、それを続けてきた結果、読者の肌感覚と異なる価値判断が増え、心理的な距離ができてしまった」と語ります。

 

「あな特」の考えは次のとおり。「購読者数が減っている現実を見つめ、『自分たちは誰も知らない媒体になりつつある』というところから、スタートしなければならないと思っています。九州には西日本新聞がある。困ったことがあれば言えるメディアがある。そう感じてもらわなければいけません。」

 

引用・抜粋は以上ですが、専門性の高い記者を多く抱えている既存メディアの強みと、全国へ瞬時に情報を発信できるネットの利点の両方を備えた新聞社によるウェブメディア。これからのメディア環境とジャーナリズムのあり方にどんな変化をもたらすのでしょうか。今後も注目していきたいと思います。

 

 

▼引用元
「『読者の言いなりか』批判受けても新聞社がウェブメディア続ける理由」
https://withnews.jp/article/f0220712000qq000000000000000W08u10101qq000024916A

 

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