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自由で公正な社会を創るジャーナリズムを応援したい
政府と民間受益者との利益相反、民主的な議論を尽くしたとは考えられない法改正や環境破壊を伴う開発など、政官財の劣化が止まりません。また、政権によるマスメディアへの介入が言論や表現の自由を萎縮させて「権力の監視」機能を弱めることで、いまや日本は近代立憲民主主義国家の資格さえ疑われる危機的状態です。
一方、SNSなどにより、マスメディアに頼らなくても市民同士が情報を伝達・交換し、行動へつなげることが可能となったところから、情報の受信側と発信側の双方に努力と工夫が必要になってきています。こうした中、ジャーナリズムには権力を監視し、市民に事実を知らせるという本来の役割に加えて、市民の力を強め、連携(ネットワーク)や主体的行動のきっかけを作るなど、これまでにない機能や要素が求められるようになりました。
私たちジャーナリズム支援市民基金は、健全なジャーナリズムが力をつけていくためには、その中身(内容・コンテンツ)と器(媒体やプラットフォーム)の両面で進化/深化が必要不可欠と考え、それら両面のいずれか、あるいは両面のシナジー(相乗効果)を実現した取り組みを応援するため、「第3回ジャーナリズムX(エックス)アワード」を公募します(エックスは未知のX、NextのX、CrossoverのX、ExperimentのXなど…)。
自由で公正な社会のための情報伝達・交換と行動とを促進する創造力/想像力豊かな取り組みを、市民社会のメンバーが選び出します。
第3回ジャーナリズムXアワード募集内容
応募主体
自薦・他薦を問わず、またアマ・プロも年齢・国籍も問わず、フリーランスや学生を含む個人、非営利組織、民間企業など、何かを伝え共有して自由で公正な社会を実現しようとするすべての人と団体が応募できます(基本的に使用言語は日本語)。ただし、政府機関・政府関連組織は対象外。
応募可能な取り組み
1)対象となる分野
日本で自由で公正な社会を創るために必要なジャーナリズムであり、「中身(内容・コンテンツ)」と「器(媒体やプラットフォーム)」両面のいずれかにおける注目すべき取り組み、または両面のシナジー(相乗効果)を実現した取り組み、を対象とします。
2)対象となる期間と事業
◇対象となる期間:2021年1月1日から12月31日
◇以上の間に発表された成果物、その期間に実施された活動、あるいは利用可能な形で公開された仕組みや機能(アプリ等を含む)など、様々な切り口の応募をお待ちします。
想定例
- 既得権益によって隠された問題を掘り起こす調査(探査)報道が、課題解決への道を拓いた実例
- 社会問題について市民が自ら考え、自ら行動を起こそうとする意識を育て合うための操作性に優れたデータベースやオンラインプログラム
- 各地の市民アクションをつなぎ、活動の実効性を高めるプラットフォーム
- 書籍や報告書の刊行と、内容の社会訴求と、取り上げられた課題の解決とを一体的・有機的に組み合わせて成果を生み出す試み
選考方法
- 一次選考
- ジャーナリズム支援市民基金の運営幹事5名とアドバイザー2名で構成される一次選考委員会で、ノミネート対象を選出
- 二次選考
- ジャーナリズム支援市民基金の運営幹事と外部有識者で構成される二次選考委員会で、ノミネート対象から最終的な受賞案件を決定
賞と賞金について
- ジャーナリズムX賞(大賞)
- 賞金100万円
- ジャーナリズムY賞
- 賞金30万円
- ジャーナリズムZ賞(選考委員奨励賞3件)
- 賞金各5万円
選考の流れとスケジュール
2022年3月7日(月) | 公募開始 |
4月24日(日) | 募集締切 |
8月下旬 | 受賞案件の発表 |
評価項目
応募されたジャーナリズム活動や市民による社会訴求の試みが、日本における自由で公正な社会づくりに寄与し、ジャーナリズムを進化/深化させたり、その枠を押し広げたりする創造的な取り組みかどうかを下記の項目で評価し、注目すべき成果を選出します。
- 内容とコンテンツ【中身】
テーマ設定、社会課題解決の手がかり、記述・描写・表現 - 媒体やプラットフォーム【器】
目的、利用方法、社会訴求や相互コミュニケーションのしかけ - 【中身】と【器】のシナジー(相乗効果)
応募・提出方法
エントリーフォームから必要項目を入力してください。
エントリー選考委員
外部選考委員
師岡カリーマ・エルサムニー(著述家)

田口 一成(株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役社長)

林 怡蕿〈リン・イーシェン〉(立教大学社会学部教授)

内部選考委員(運営幹事)
星川 淳、大津 愛梨、奥田 裕之、関本 幸、寺中 誠
news
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2022.11.02
第3回ジャーナリズムX(エックス)アワード受賞案件
2021年に発表された活動成果や取り組みを対象とする、第3回ジャーナリズムX(エックス)アワードの受賞案件を決定しましたので、お知らせします。 ジャーナリズムX賞(大賞)1件 賞金100万円 シリーズ「双葉病院 置き去り事件」 (受賞者:中川七海/Tansa) ジャーナリズムY賞1件 賞金30万円 県政、市政記者クラブ経由の話題が多い地方において、ニュース「奈...
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2022.06.29
【イベントレポート】オンラインイベント ジャーナリズムXの針路 ~日本社会をもみほぐすジャーナリズムは可能か~(2022年4月17日開催)
バブル崩壊以来の停滞から抜け出せず、いまや“周回遅れ” どころか“難破” にさえ例えられる日本社会の硬直と閉塞はジャーナリズム自身も蝕んでいますが、その辺縁ではさまざまな萌芽も生まれつつあります。境界を超えるしなやかさ、したたかさとは何か――。ゲストに、 沖縄タイムス社編集委員の阿部岳さん、著述家の師岡カリーマ・ エルサムニーさんをお迎えし、 地方や海外の視点を交えて考えます。 ...
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2022.04.16
過去の受賞者からの応援メッセージ
これからアワードへチャレンジしようとしている方々へ、過去のアワード受賞者より寄せられた応援メッセージをご紹介します。 NO YOUTH NO JAPAN (第2回ジャーナリズムXアワード「Z賞」受賞) 「わたしたちが生きた社会はわたしたちがつくる」 そんな風に考えて、動いていける人が増えていけば、これからの社会を拓く兆しになると思っています。 私たちNO YO...
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2022.03.24
4/17(日) オンラインイベント
ジャーナリズムⅩの針路 ~日本社会をもみほぐすジャーナリズムは可能か~ジャーナリズム支援市民基金は、2022年4月17日(日)に「ジャーナリズムⅩの針路~日本社会をもみほぐすジャーナリズムは可能か~」と題してオンラインイベントを開催します。 バブル崩壊以来の停滞から抜け出せず、いまや“周回遅れ”どころか“難破”にさえ例えられる日本社会の硬直と閉塞はジャーナリズム自身も蝕んでいますが、その辺縁ではさまざまな萌芽も生まれつつあります。境界を...
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2022.03.08
市民が選び、応援する! 第3回ジャーナリズムX(エックス)アワード公募開始!(〆切:4月24日)
第3回ジャーナリズムXアワードの公募が始まりました(〆切:4月24日)。第1回、第2回のアワードでは、「自由で公正な社会を創るジャーナリズムを応援したい」という私たちの呼びかけに対し多数のご応募をいただきました。 今年も、問題解決の道を拓く注目すべき取り組みや、情報伝達・交換と行動とを促進する創造力/想像力豊かな試みをお待ちしています。 第3回ジャーナリズムXアワード募...
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2021.12.21
【レポート】11月21日(日)オンラインイベント 「いま、日本のジャーナリズムを前へ進めるには」 ~第2回ジャーナリズムXアワード受賞者と探る~
第2回ジャーナリズムX(エックス)アワードを実施した2021年、日本は深刻なコロナ禍の下でのオリンピック・パラリンピック開催強行、議論を尽くしたとは思えない福島第一原発からの放射能汚染水の海洋放出決定など、民主社会を政府自身が押し崩し、市民が抱いていた閉塞感をさらに強めました。私たちジャーナリズム支援市民基金は、すべての市民にとって自由で公正な社会を創る上でジャーナリズムが本来の...
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2021.10.25
11/21(日)オンラインイベント「いま、日本のジャーナリズムを前へ進めるには」
~第2回ジャーナリズムXアワード受賞者と探る~第2回ジャーナリズムXアワード(JXA)を実施した2021年、日本は深刻なコロナ禍の下でのオリパラ強行や、議論を尽くしたとは思えない福島第一原発からの放射能汚染水海洋放出決定など、民主社会を政府自身が押し崩し、市民が抱いていた閉塞感をさらに強めました。 私たちジャーナリズム支援市民基金は、政府や一部の大手企業などいわゆる強者のためだけの社会ではなく、すべての市民にとっ...
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2021.08.27
第2回ジャーナリズムX(エックス)アワード決定!
2020年に発表された成果物や取り組みを対象とする、第2回ジャーナリズムX(エックス)アワードの受賞案件が決定しましたのでお知らせします。 詳細はこちらをご覧ください。...
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2021.04.23
第2回ジャーナリズムX(エックス)アワード募集終了のお知らせ
第2回ジャーナリズムX(エックス)アワードは4月18日で募集を終了しました。多数のご応募ありがとうございました。厳正な選考の上、7月下旬頃に受賞案件の発表予定です。 今後のスケジュールや選考委員については、webサイトをご確認ください。 https://jxaward.com...
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2021.04.12
【イベントレポート】 ジャーナリズムX(エックス)2021 ~コロナの時代にジャーナリズムの壁を突き破る~
一人ひとりの人生を深く理解することで社会のあり方を問い直したい(「ニッポン複雑紀行」編集長・望月優大さん)
解決策に目を向けポジティブなニュースの流通量を増やしたい(「IDEAS FOR GOOD」編集部・富山恵梨香さん)3月20日(土)、ジャーナリズム支援市民基金はゲストに第1回ジャーナリズムX(エックス)アワードY賞受賞の「ニッポン複雑紀行」編集長・望月優大さんと、Z賞(選考委員奨励賞)受賞の「IDEAS FOR GOOD」編集部より富山恵梨香さんをお招きして、オンラインイベントを開催しました。基金代表幹事の星川淳と事務局によるアワードの説明や現在公募中の第2回アワード概要紹介のあと、望月さんと富山さんからそれ...
受賞一覧
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2022.11.02
第3回ジャーナリズムX(エックス)アワード受賞案件
2021年に発表された活動成果や取り組みを対象とする、第3回ジャーナリズムX(エックス)アワードの受賞案件を決定しましたので、お知らせします。 ジャーナリズムX賞(大賞)1件 賞金100万円 シリーズ「双葉病院 置き去り事件」 (受賞者:中川七海/Tansa) ジャーナリズムY賞1件 賞金30万円 県政、市政記者クラブ経由の話題が多い地方において、ニュース「奈...
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2021.08.27
第2回ジャーナリズムX(エックス)アワード受賞案件
2020年に発表された成果物や取り組みを対象とする、第2回ジャーナリズムX(エックス)アワードの受賞案件が決定しましたのでお知らせします。 ジャーナリズムX賞(大賞)1件 賞金100万円 映画『はりぼて』 (受賞者:株式会社チューリップテレビ及び五百旗頭幸男・砂沢智史) ジャーナリズムY賞 1件 賞金30万円 『白い土地 ルポ・福島「帰還困難区域」とその周辺』(集英社クリ...
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2020.07.29
第1回ジャーナリズムX(エックス)アワード受賞案件
2019年に発表された成果物や取り組みを対象とする、第1回ジャーナリズムX(エックス)アワードの受賞案件が決定しましたのでお知らせします。 ジャーナリズムX賞(大賞)1件 賞金100万円 『独立』『非営利』『探査ジャーナリズム』という船に乗って市民社会の公正さを促進するための、ジャーナリストによるジャーナリズムのムーブメント (受賞者:NPO法人 ワセダクロニクル) ジャー...
運営団体
「ジャーナリズムX(エックス)アワード」は、日本におけるジャーナリズムが本来の力を発揮するためのプロジェクト助成と組織基盤強化支援を目的として2019年3月に設立された「ジャーナリズム支援市民基金」(任意団体)が運営しています。「ジャーナリズムX(エックス)アワード」はそのスタートアップ事業として、自由で公正な社会を創るジャーナリズムを市民が選び、顕彰する仕組みを提供します。
運営幹事

星川 淳(代表幹事)
一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト代表理事、作家・翻訳家

大津 愛梨
O2Farm渉外・六次産業化部長、NPO法人田舎のヒロインズ理事長、里山エナジー株式会社代表取締役社長、一般社団GIAHSライフ阿蘇理事

奥田 裕之
未来バンク理事

関本 幸
NGO広報・コミュニケーション

寺中 誠
東京経済大学教員
国境なき記者団による「報道の自由度ランキング」で、日本は2021年も世界67位(180か国・地域中)と振るわない。民主党政権時代の最高11位から、安倍政権時代に急落したままだ。問題点や改善の処方箋は様々だろうし、報道機関所属とフリーランスとを問わず、ジャーナリスト本来の役割を果たそうと努力している人びともいる。このアワードの運営母体であるジャーナリズム支援市民基金は、その名のとおり市民社会の側から日本におけるジャーナリズムの底上げを応援したいと立ち上げた。権力の暴走や腐敗に対する鋭い突っ込みはもちろん、これからの大きな課題は次世代のジャーナリストや発信主体が育っていくこと、それにふさわしい新しいスタイルや器が大胆に試みられることだと思う。ジャーナリズムXアワードがその触媒になるといい!
(ジャーナリズム支援市民基金代表幹事・星川淳)
運営アドバイザー

大高 健志
MOTIONGALLERY代表、POPCORN共同代表、さいたま国際芸術祭キュレーター、映画プロデューサー

鈴木菜央
NPOグリーンズ代表、greenz.jp編集長