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2022.10.18
《「忖度しない」気候変動を報じるジャーナリストたちの決意》
(以下、オルタナの記事より要約・転載)
フランスのジャーナリスト有志は、9月14日に「気候変動ジャーナリスト憲章」を発表しました。
これは気候変動に関し「広告主や資金提供者に忖度しない」など、ジャーナリストの仕事の仕方について13項目を定めたものです。
きっかけとなったのは、3月の大統領選挙の際、気候変動と生物多様性について十分な議論がなかったことです。フランスでは実業家がメディアを買い占め、圧力をかけることが問題視されているとのこと。テレビなど大手メディアでの掘り下げた報道が少なく「市民はジャーナリズム不信に陥っている」と、憲章の立ち上げメンバーの一人は語りました。
この憲章には9月14日時点で800人以上の個人・団体が署名しました。概要は以下のとおり。
1.気候変動、生物、社会正義は相互に関係しているので、これらを分けずに扱う。
2.科学的データはそのままでは難しいので、わかりやすく伝える。
3.事実の正確な描写と事態の緊急性を伝えるための的確な言葉を選ぶ。
4.気候危機の本質は政治的レベルで生まれており、問題を人々の個人的責任だけに帰してはならない。
5.起きている急激な変化の原因を調査する。短期的思考は人類と自然の利益に反することを想起させること。
6.情報源を明確に示し、透明性を保つ。
7.特定の経済的・政治的利益のために、人々を誤った理解に導こうとする戦略を暴く。
8.危機に対する答えの情報を知らせる。気候と生物の危機を解決するためのに対する行動方法を厳密に調査する。そこで提案された解決策を問う。
9.ジャーナリストは在職中、継続して研修を受けなければならない。
10.ジャーナリストは、資金源・広告・メディア提携者が人類と生物に有害であると思われる活動に関わっていたら、恐れず異論を表明する権利がある。
11.あらゆる圧力から自由な情報を確保するため、メディアの所有者から編集が自立していること。
12.カーボン・フットプリントを減らすため、汚染の少ない方法で活動する。
13.メディアで働く者同士が連帯し、協力関係を育てる。
ドイツでは「ドイツ気候ジャーナリズムネットワーク」が4月に憲章を作り、256人のジャーナリストが署名しています。
独仏に刺激され、欧州の他の国にもこのような動きは広がっていくかもしれません。
▼引用元
「仏の記者500人が「気候変動の記事で忖度しない」」(オルタナ 2022/09/26)
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